名古屋地本について - 宣言と綱領

宣言

鉄道写真戦禍に荒らされた祖国日本は、深刻な経済危機の中にあって働く者の生活は闇とインフレのため破滅の寸前におかれている。

わが国の労働組合は、一年有余の試練を経て偉大なる成長をとげ破滅のふちにある日本を救うため、いまや一大躍進の時期に当面するに至った。

われわれ労働者こそ産業復興の先頭に立ちその主導性を確保しなければ民族の危機を救う事が出来ない。

今こそ全日本の勤労階級は、強固たる団結とあふれる同士愛をもって一切の封建的挫折を打破し、経済復興の中核となり平和日本建設に邁進しなければならない。

国鉄労働組合総連合会は、結成以来1年3ヵ月、三次にわたる闘争を経て団結の基礎を固めてきたが、いまや発展的に単一組織へ移行し、60万のゆるぎない同志的結合をもって、歴史的一歩をふみだすものである。

われわれは強固なる団結の下、祖国再建のため全日本労働者の前衛となって、組合運動の発展と日本の徹底的民主化を勇敢に推進せんことを宣言する。

1947年6月5日  国鉄労働組合結成大会(連合体より単一移行時)

綱領

  1. われわれは、労働者階級の団結した力によって、生活と権利を守り、労働条件を改善するためにたたかう。
    これらのたたかいを通じて、資本主義社会が労働者の搾取をつよめるものであることを認識し、われわれは、労働者階級の解放をめざしてたたかう。
  2. われわれは、人たるに値する生活ができるような賃金の確保、健康を守り文化を享受しうる労働時間の短縮と休日の増加、人間らしく安全に働ける職場の諸条件の確立、働けるあいだの雇用の安定と退職後の生活の保障をめざしてたたかう。
  3. われわれは、労働者の生存権を守り、人間としての尊厳を維持するために、団結権、団体交渉権、争議権に対する法律上の制限・禁止を撤廃させ、政府・資本の側の不当な弾圧、干渉を排して、労働基本権の確立をはかるためにたたかう。
  4. われわれは、国鉄経営の民主化をはかり、すべての国民の社会的な権利としての交通を守り確立するためにたたかう。
  5. われわれは、産業や国籍のいかんをとわず、労働者として、資本主義の害悪を排除するために、職場に労働運動を定着させ、産業別労働組合の組織化を達成する。また、国内組織を統一し、国際連帯を強化する。
  6. われわれは、たたかうすべての労働者とともに勤労国民の中核となって、全国産業一律の最低賃金制確立、老齢者・失業者・傷病者・心身の不自由者にたいする所得保障の充実、医療・環境・教育・交通の諸分野の改善、税制の民主化、物価の安定など、生活を安定させる民主的制度をめざしてたたかう。
  7. われわれは、基本的人権、ことに思想・信条、政治活動、集会・結社・表現の自由に対する不当な弾圧、干渉を排除し、人間としての真の自由を確立し、平和で民主的な生活を守るためにたたかう。
  8. われわれは、すぐれた文化遺産を尊重するとともに、働くものの個性にみちた創造的な文化をつくりあげるためにたたかう。
    また、資本主義の虚偽の宣伝とたたかい、社会の真実を明らかにし、自覚的な団結を強めるために、自らの教育と学習につとめる。
  9. われわれは、戦争に反対し、アジアと世界の完全な平和をめざしてたたかう。
  10. われわれは、労働組合の当面する課題である改良闘争をつみあげるとともに、労働者とすべての勤労国民に共通する政治的課題とたたかうための統一戦線の有力な一翼であることを自覚してたたかう。
    その目的を達成するために、社会主義政党との緊密な協力関係をつくり、すべての民主勢力と共闘を推進しながらたたかう。
国鉄労働組合名古屋地方本部
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