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利用者の声に依拠した鉄道づくりを中部運輸局に要請
11月10日、東海4県の労組などでつくる「東海の会」が、この7月から9月にかけて実施したJR東海の利用者へのアンケートにもとづき、中部運輸局に要請を行いました。要請には静岡・愛知・岐阜から11名が参加し、運輸局からは鉄道部監理課・計画課・技術課・安全指導課の各課長ら5名が応対しました。
冒頭、申し入れていた14項目の要請に対し、回答をうけ、協議に入りました。ホームの安全確保やリニア中央新幹線について、運輸局の見解を求めるとともに、JR東海への指導を要請しました。
運輸局は、ホームドアについては鉄道運輸支援機構をつうじて、3億円ほどの資金援助をするなど、鉄道各社のホームドアの普及に向け、より簡易で低廉なホームドアの開発をたすけているとしています。また、駅・ホーム要員の配置、ダイヤなどの改善については、運輸局は鉄道事業者がその線区・駅などの利用実態を勘案し、安全とサービスには配慮しているとの認識にあると答え、鉄道事業者の判断にゆだねる立場をゆずりませんでした。
しかし、関西線蟹江駅の危険なホーム上の混雑については、駅とその周辺の改修について関係自治体との協議が進行しているとしながらも、運輸局としてもすさまじい実態があることを認めました。ハード・ソフトさまざまな点から、現実に危険がある箇所・設備の改善を急ぐこと、当面はホーム要員を配置するなど機敏な対応をすることを利用者は切望しており、行政からの指導を求めました。
リニアについては建設認可がおり、工事が始まろうとする中で、問題が浮上した時に監督官庁として建設を止める決断をうながしました。
同日付で、JR東海にも利用者アンケートの集計、寄せられた生の意見をそえて、要請書を送付しました。JR東海はこれまで、「東海の会」からの要請を受けようとはしていません。
愛知県下の他鉄道会社は、今年も視覚障害者団体と会い、直接要望を聴き、ホームドアの設置が進まない現状の理由、見通しなどを率直に答えています。運輸局にこの違いを指摘し、JR東海が利用者の声を聴き、鉄道づくりにいかすように働きかけることを求めました。