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2012年07月12日

公務員の賃下げ撤回を求め、人事院中部事務局へ包囲行動を展開

7月11日、憲法やILO国際条約に反する公務員の賃下げの撤回を求める行動が展開されました。

政府はこの4月から、国家公務員の賃金を平均7.8%引き下げました。これに抗議し、国家公務員労働組合連合会(国公労連)とその組合員241人が、5月に賃下げは憲法違反であるとして東京地裁に提訴しています。7月11日、この違法な賃下げの撤回と回復・改善を求め、人事院中部事務局包囲総行動が行われました。

戦後の占領下で当時のGHQ(連合国軍司令部)の指示により、公務員労働者の争議権・団体交渉権が奪われたまま、今日に至っています。戦後、国労や国家公務員・自治体労働者は、国鉄も含めた公務員労働者の団結権侵害として、ILOに提訴し、闘いました。この闘いを経て、日本政府のILO87号条約の締結や、団結権を制限する代替措置としての人事院の役割などが設けられてきました。そして、これまで人事院は公務員の賃金について政府に勧告を発し、政府も団交権・争議権の「代替」として基本的には人事院勧告を尊重し、受け入れてきました。

日本政府は、このような自ら設けてきた国家公務員労働者の団結権の根底にかかわる人事院勧告を無視し、賃下げを強行しました。日本政府が自らの意志で結んだ国際条約と憲法に違反する暴挙です。

国家公務員の賃下げは、626万人の労働者、全労働者の13%に直接に影響します。さらに、その影響は連鎖し、デフレと重なり、賃下げの悪循環をひろげてゆきます。公務員を攻撃しながらも、その狙いは国民・労働者全体にかけられているといえます。

包囲行動に先立ち、8時から名古屋の官庁街が集中する丸の内で宣伝行動がくりひろげられ、国労も参加しました。官庁に出勤する人、通り過ぎる人たちが行きかうなかで、一方的な賃下げの不当性を訴え、ビラを受け取る姿から、賃下げへの関心の高まりを実感する行動となりました。

包囲行動は、12時20分から人事院中部事務局の前にある、名城東公園で昼休み決起集会からはじまりました。賃下げを撤回し、給与の回復・改善を求める決議が、集会に参加した国公労働者、支援の人たちの盛大な拍手で採択されました。

集会後、人事院中部事務局のはいる総合庁舎を1周するデモ行進が行われ、庁舎前での座り込みに突入しました。13時30分からは、代表団による人事院中部事務局への要請が行われました。

包囲行動には、愛知・岐阜・三重・静岡の東海4県、さらに石川・福井・富山の3県の7県の国公労連に結集する労働者と、支援団体が参加しました。座り込み行動では、支援団体からの激励と連帯の挨拶があり、参加した各労組の現状や賃下げへの怒り、撤回に向けた決意が語られました。座り込みのまわりには、各単組の旗と職場から寄せられた組合員らの思いを書き込んだ色紙がはられました。

ある国交労組の職場では、色紙に賃下げへの怒り、要求を書き込む組合員に、「いいことだね。俺も頭にきている。書いてもいいか」と管理者が声をかけ、色紙を渡したという経験が報告されました。立場の違いをこえて、賃下げの暴挙への怒りが労働者のなかに広がっていること、闘いの正当性を実感した座り込みのなかでの交流となりました。

 

 

 

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