橋下市長が命じた「アンケート 調査 」に抗議文書を送り中止求める
名古屋地方本部は、19日に124回拡大地方委員会を開催し、委員からの「大阪橋本市長が憲法違反のアンケート調査を実施しており、許せない。国労として地方本部は抗議すべき」との発言があり、抗議することを決めあいました。翌日、第124回地方委員会名をもって、大阪市長に抗議文を送付しました。
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大阪市長 橋下 徹 殿
橋下市長が命じた「アンケート 調査 」に抗議する
橋下大阪市長は、 2月9日に大阪市職員に対し、「違法ないし不適切と思われる政治活動 、組合活動」があるとして、アンケート調査は「任意の調査」ではないと明記し、 全職員に対する市長からの業務命令としてアンケート調査への回答を命じた。
アンケートは、個人の政治と労働組合に対する考え方や行動を詳細に調べるものであり、思想調査であることは明白である。さらに、交友関係や勤務時間外の私的な行動までも 把握しようとしており、断じて許されない。このようなアンケートを実施したことに断固として抗議 するとともに、ただちに止めることを求める。
アンケートは次の点から許されない。
まず、憲法は第19条で「思想及び良心の自由は、これを犯してはならないと」 定め、国家が思想による差別・不利益を課すこと、特定の思想を強要すること、そして思想調査などをしてはならないと定めている。
憲法は国家に対するものであり、思想及び良心の自由を憲法にもとづき擁護することは、憲法99条に定めるように公務員においては、まさに義務である。 行政に携わる自治体首長が、憲法に対しどのような態度をとるのかは言うまでもない。
また、アンケートは労働組合に対する個人の見解や、その活動状況についてたずねている。 使用者が業務命令という強制力を行使 し、労働組合に対する組合員の考え方 、活動状況を個人名まであげさせて、調査することは、あからさまな 労働組合・労働組合活動 に対する干渉である。これは労働組合法7条が定める不当労働行為であり、断じて許されない。
さらに、調査は選挙活動や労働組合活動にかかわり、懲罰をちらつかせて個人の名前まで密告することを強要している。このアンケートを通じて、市長の思いのままに市職 員・ 労働組合を支配しようとする意図を感じざるを得ない。
憲法を擁護する義務を負っている市長自らが、憲法に反する思想調査を強行することは、国民・労働者である市職員の基本的人権を犯すだけではなく、憲法とその精神を踏みにじることである。
今回のアンケート調査の本質は、憲法がしめす基本的人権に対する迫害である。政令指定都市を代表する大阪市が、このようなアンケート調査を実施 することは、大阪市職員の権利を迫害し、国民の権利も脅かすことになる。
橋下市長は選挙を通じて大阪市民から多大な支持を得ながら、大阪市民・国民の権利を侵害 している。
昨日、私たち国鉄労働組合名古屋地方本部は第124回拡大委員会を開催した。拡大委員会の総意として、今回の橋下大阪市長による違法 なアンケート 調査=思想調査に抗議するとともに、ただちに止めることを強く求める。
2012 年 2 月 20 日
国鉄労働組合名古屋地方本部第 124 回拡大地方委員会